S.I.N「今回のWFは俺独りかも知れん」
本当にそうなると思っていた。窓間涙は相も変わらず人権無視の会社に拘束され休日は不定期。当日も結局仕事。 皆が祭に酔う中、独り外れる寂しさはよく解る。 前回参加のjiskaも単身赴任が決定し、毎日残業、休日出勤もザラだった。
しかし奇跡は起こり、jiskaは帰ってきた！ 今回jiskaが居なかったら、WFでの製品販売は出来なかったかも知れない。と、今は思う。
なんか思いのほか早く向こうの職場から逃げ帰れました。よかったです。jiska
これは、サムクラ戦士達の、血と汗と宿命と自業自得の戦いの記録である
前回の強行軍を受け、今回は余裕をもって臨もうと決心した。あのハードすぎるスケジュールはもう二度と繰返すまい、と。
しかし、毎年夏休みの宿題を最終日にやっていた男が、そうそう実行出来る訳もなかったのである。
今回の新作はデスモドゥスのグレードアップキット(以下GUK)だけだった事もあり、原型は７月からスタート。俺の勝手な予定では、第三週までに出来上がり複製発注、８月上旬までに製品が仕上がるつもりでいた。ところがマフラーの造形に手間取り、結局完成したのは８月２日。「それでも前回より一週間早いし、パーツ数も圧倒的に少ないから生産も早まる！」
･･････が、そうは問屋、いや抜屋が下ろさなかった。
8.19 21:00 jiskaが業者からGUK製品を回収してアジトに到着
19日ってオイ。兎も角完成見本を造らねば!!新作のGUKを組み込んだデスモドゥスの完成写真を撮らねばペナルティをくらってしまう。 今回は jiskaと共同作業なので多少気が楽だ。
完成見本はニトロブースに飾って頂く分しか造れないと判断し、サムクラブースには素組を飾る事にし、jiskaにやらせた。が、何しろ素人。しょっちゅう手伝ったり助言したりでこっちの作業も捗らない。塗料乾燥待ちの合間にインストを作り、下地の黒を吹き終わって夜が明けた。
8.20 7:30 S.I.N:地元町会納涼祭
jiska:高校の部活の県大会応援
死地へと赴く二人。予定というものは、何故に集中するのだろうか。
23:00 S.I.N帰宅、jiska合流
既に二人とも強烈な眠気に襲われていた。猛暑の中よく倒れなかった。事故らなかった。
当日は4:30出発を予定していたので、残る作業時間は５時間。さあ、塗装だ！…と、しばらくしてjiska撃沈。本当に死んだ様に眠っているのを見て、俺は孤軍奮闘を覚悟する。
やっとデスモドゥスの塗装が完了したところでjiskaを寝界から引き揚げ、インスト折り等をやらせる。結局素組は完成せず。いい加減時間もなく、片側だけ組み立てて写真を撮る。これぞカメラマジック！あとは会場で組み立てればいい。
ごめん、記憶ない。ていうかどうやってS.I.Nのアジトにいったかあまり憶えてない。jiska
8.21 5:30 アジト出発
眠気覚まし系と体力増強系の栄養剤を飲み、一時間押しでいざ、有明へ！高崎線で仮眠を摂り、りんかい線直通に乗り換え、誰が同業者なのか伺っていた。国際展示場駅に着いた途端、殆どの乗客がザッと一斉に立ち上がった。
みんな同業者だったのかッ!!!!
俺はまだまだヲタクイベントを舐めていた様だ。
いつも通りの凄まじい行列を横目に会場へと向かう二人。
8:30 ビッグサイト到着
ホッチキス等、忘れた物を買いながら入場。前回と違い、はしゃいだり、感慨に浸るというより仕事をこなさねばという気持ちが強く、それに因り、俺達もディーラーになったのだなと実感が湧いた。
受付を済ませ、送っておいた搬入荷物を取りに行く。スタッフにディーラー番号を告げて探してもらうが、中々見つからない様だ。荷物置き場にはもうロクに荷物がないというのに。前回の事件が二人の脳裏を過ぎる。
･･････
････････････
…有った！
ふーぅヒヤヒヤさせおって。平静を装っていたものの、実は胃と心臓がかなり縮んでいた。
当てられた卓に行き、書類を確認。当日版権取得証明とディーラー証を出す…と、おお!?
ウチはいつディーラー名が変わったんだ!? 某国ならば直ぐに賠償と謝罪を請求するだろうが、スタッフを困らせるだろうし、時間も無いので放っておく事にする。
山武雷！蔵夫徒ってなんか強そうですよね、ゴロはすんごい悪いけど。jiska
「完成見本はニトロブースに在り」と品書きを提示し、サムクラブースでは販売のみ行う事にした。ニトロブースに飾って頂く方が宣伝になる。
デスモドゥスの残り片側を組立て、ヴェドゴニアと共にニトロブースへと持って行くと、簡易撮影ブースで、ニトロ造形祭参加作品を撮影していた。そこで俺は気付いた。デスモドゥスのライトがズレている事に!!
(これが原因か、ニトロOHPの『ニトロ造形祭in2005[夏]』には前回の写真が使われていた。『もえらの私的ワンフェスレポートin2005[夏]』 のバックアングル画像は今回のもの。)
しかしもう直している時間は無く、そのまま預けてしまった。しかし、会場30分前だというのにニトロスタッフの姿は殆どなく、商品陳列もされていない。大丈夫だったのだろうか？
10:00 開場
さあ、ディーラーダッシュだ!!
本当にダッシュしている良識破りのアホをひらひらかわしながら目的ブースに向かう。
先ずは“怪物屋”。前回買えなかったＧＭＫゴジラ、(またも)完売!!
値段倍にしてもいいから、もっと作ってくれ!!!!
次に“ヒゲゾルビー・ロバート氏”。アストラナガン、購入成功!!
凄ぇサイズとパーツ数。市販品ではこういったモノは出せない。このサイズ,ポーズ,キャラ選択,アレンジは個人製作ならではのものだ。
ディーラーダッシュはダメです、絶対。五十歩百歩。jiska
サムクラブースに戻り、持って来た組立途中の素組を飾って作業は終わり。
今回はデスモドゥスが人気！ＧＵＰを造った甲斐があった…といっても其れが理由で来た方は居なかった様だが。
驚いたのは、セットとデスモドゥスを買ったカップルが居た事。なんてダメなカップルだ!!サムクラは、こういった方々を推奨する!!
ダメカップルなんかじゃありません。すごく羨ましいお二人でした。jiska
午後、メシを買いがてら、会場をブラブラしてみた。今回の人気は予想通りタマ姉で、あちこちに見られた。美少女モノはやはり強く、「おっ」と思うものには完売の札が貼られていた。それからＦＷ版ガイガンが多かった!!しかもどれもかっこいい!!次回はどれか一つは買おうと思う。
ここでひとつ、写真でも撮ろうかねと思いデジカメを起動させると
「カードがありません」
わ〜す〜れ〜て〜た〜〜〜!!
メシを喰い、何度か寝落ちしているとケータイが鳴った。窓間涙からだ。
※20日、『キャラホビ2005』に、休憩時間を利用して潜入し、ガレキを入手せよという任務を与えていた。20日は失敗に終わったが、21日になって新に欲しい物が在ると判り、ダメ元で改めて指令を発しておいたのだ。
また買えなかった報告か、と思い電話に出ると、いきなり
窓間涙「僕はこれからどうすればいいですか？」
は？と思ったが、すぐに何事か解った。
S.I.N「お前、来られるのか!?」
急遽帰宅許可が出されたらしい！直ちに急行するよう告げる。
喜びのあまり叫びだしたいのを堪え、冷静なふりをした。幕張からでどの位掛かるか判らぬし、間に合ったとしても残り時間は僅か。素直にキャラホビに行くべきなのか、S.I.Nの判断を仰いだ。 時間が全てだ。事故らぬ程度に無茶をした。が、ビッグサイトまで着いておきながら、WF会場までの道がわからない。迷わぬよう、おっかなびっくり進んだので、若干時間をロス。窓間涙
ビッグサイト到着の知らせを受け、会場までの進入を説明してブースを発った。
入場口にて窓間涙を待つ。
･･････
････････････
･･････････････････
･･････来た!!
俺は念の為持って来たディーラーパスを、窓間涙に渡した。
言葉には出さなかったが、感無量であった。
16:05 窓間涙到着
ついに、全員が集合した!!!! 去年のWFでディーラー参加を決意してから丸一年。一年しか経っていないとも言えるが、ここまで、本当に長かったと感じられた。
そういえばカメラ付ケータイに買い換えたのをすっかり忘れていた。記念に一枚。
皆、眠い。
さあ、デスモドゥスとヴェドゴニアを回収しに行くか。
ここからの画像は、窓間涙の持参したデジカメで撮影している。
ニトロ造形祭出典物もう殆どの作品が片付けられていた。
…あれ？ヴェドゴニアは在るのにデスモドゥスが無いぞ？
訊けば、スタンドパーツが取れて転倒し、マフラーも取れてしまったので引き下げたという。やっぱりなあ。もうビスがゆるゆるだったからそうなるとは思っていた。で、何時倒れた？
「結構早い時間だったそうです」
な、なんだってぇぇぇぇぇっ!!?
宣伝効果、無し!! いや、それよりもサムクラブースで「完成品はニトロブースに」と言われて「無いじゃん」と思った方、申し訳無いぃぃぃぃぃっ!!!!
ジョイ士に挨拶しに行くと開口一番
「ワンフェスになると思い出す」
ついに顔を憶えられた!! ニトロ信者レベルが又一つ上がったと感じた。
「これがフルメンバーだ」とニトロ造形ディーラーである事をアピールし、『刃鳴散らす』に関して「一見さんお断り」「戦闘は心中での葛藤を描く」「余程のマニアでないと」「正直、お薦め出来ない」等、熱の入った解説を受ける。
そういうのをこそ、待っていた!! とっくに予約済みだが、期待は膨らむ。
17:00 WF閉会
閉会のアナウンスに参加者一同、拍手でWFを称えた。
さあ、撤収だ。S.I.Nは搬出荷物を宅配便へ、jiskaは売上報告へ、窓間涙はゴミ捨てへと向かう。無事荷物を送り出した俺は列に並ぶjiskaの元へ。
jiska「あそこで窓間涙が空気の読めない事をしている」
と聞き、“あそこ”を見ると・・・
!?
デモンベインを解体している!!!!
一目散にニトロブースへ。既にシャッターを切っている(本当に空気を読む気が無いのか、フラッシュ焚きまくり)窓間涙からデジカメを取り上げ、(フラッシュレス)撮影を敢行！
空気は読めたが、読まなかった。
フラッシュは、解除の仕方がよくわからなかった。というより、自分がフラッシュを焚いている自覚があったのかも、今となっては怪しい。(窓間涙)
良識もとうぜ。邪魔しちゃまずいって。jiska
デモンベイン解体も見届け、外に出る。さらば、ビッグサイト。次のWFで、又会おう。
おおう、こんな所に音撃三角(とらいあんぐる)“烈節”が!! いや、赤と白だから別物だな。
折角全員揃ったんだ。打上と次回に向けての会議を兼ねてメシ喰いに行こうと、食物屋を探す。
18:30 打上
ビッグサイトすぐ前のホテルのレストラン街に入ると、何処も酒と焼酎の瓶がズラリと並んでいる。S.I.Nの目がギラリと光る！窓間涙も喜ぶ！が、食事がメイン(jiskaと窓間涙は運転がある)の方針に渋々引き下がる。
こういう区画整理された建物の中を探検するのはメガテン気分を味わえて楽しい。と、通路突き当たりに蟹をどーんとショーケースに展示している店に惹き付けられた。品書きを見て三人ともおおはしゃぎ！「旨そう」を連呼。知らぬ間にjiskaが記帳していて打上会場決定。
窓間涙「幾ら持ってる？」
S.I.N,jiska「金は有る」
この一言で、喰いたいものを片っ端から頼む事に決定。値段は見ずに。
そして所狭しと並んだ料理の数々。店員も少々困っていた様に見えた。
「旨い!!」
先ずはタラバ半身(冷し)にむしゃぶりつく。カニクリームコロッケはカニの味と食感がありありとし、サーモンとエビのハンバーグは斬新な味わい。他に大タラバステーキ,カニピラフ(ラージサイズ・スープ付),黒毛和牛ステーキ200ｇ(サラダ付),ブイヤベース,シーフードリゾットと次々に詰め込んだ。
飲物はフレッシュオレンジジュース,生リンゴジュース,ミルクティー,純米生原酒(グラス)を頼んだ。ジュースは本当にジュースで、注文を受けてから果物を搾っている。酒も芳香且つ濃厚で呑み易い好い酒で、瓶で買って帰りたかった。
続いてデザート。チョコパフェ,マロンパフェ,ナシのババロア,完熟マンゴー。
そしてフレッシュジュースを大変気に入り、メニューに載っていた残りのフレッシュパインジュース,フレッシュレスカとオレンジ,アップルを追加した。パインジュースには感動。今まで飲んだ“パイン味”ジュースなどはクソだ。繊維豊富な食感と、とろける様な、しかもまったくしつこくない甘さ。口をつけた瞬間、危うく飲み干しそうになった。
こりゃあ美味い、と、リンゴジュースを呑んだjiskaが突如咳き込み、軽い呼吸困難に見舞われた。
※jiskaは、リンゴと桃を食べると、咽喉に異常をきたしてしまうのだ!!
何故飲んだのか、と問うと、大丈夫だと思った、と何の根拠も無い自殺行為だと発覚。
※jiskaは、リンゴと桃の味自体は大好きなのだ!!
直ぐに発作は収まったが、死因:リンゴジュース摂取に因る頸部圧迫などと新聞に載った日には末代までの笑いの種だ。危険は、キミの身近にある。気を付けよう!!
果物アレルギーなんですよ、大好きなんですけど食べると死にかけるジレンマ。jiska
21:00 店を出る
喰うのに夢中で写真を撮り忘れた！会議もし忘れた!! 駅前にダラダラ移動し、ダラダラ会議。様々な意見が飛んだが、概ね決定し、冬へ向けての方針は固まった。内容については今後の更新をお待ち頂きたい。
22:00 窓間涙と別れる
いい加減眠気もきつく、電車の中では眠りっ放し。駅に着き、車に乗換えてS.I.N宅へ。車が走り出すと同時に俺の意識は途絶えた…。
気がつくと、もう我家の近くだ。jiskaに悪いと思いつつ、言葉も出ない。
いよいよ自宅に着き、今更会議で決めていなかった事項を思い出す。が
「あれ、どうするか・・・」
「そうですねー・・・」
・・・・・・はッ!! いかん！言葉が途切れると寝てしまう!! 自分達の気力が絶えた事を思い知らされ、全ては後日、とjiskaと別れる。
僕の仕事はむしろここから。ブログの更新、来て下さった方々への挨拶などで、気付けば四時半。翌日が休みで本当によかった。(窓間涙)
翌日が休みってのが、イヤミとしか思えん。(S.I.N)
おれもこのあと仕事忙しい＆入院のコンボを喰らい今に至ります。jiska
22 1:00 解散
眠い。其れだけが俺の心を支配し、とっくに限界を超えていた身体は、縄の切れた釣瓶の如く、寝界へとおちていった・・・。
終
おまけ
以前よりサムクラＴシャツを作ろうと考えていた。原型を無事送り出し、時間に余裕を感じた俺は、今から発注すればギリギリ間に合うかも知れないと思い、製作期間10日という業者に見積りを頼んだ。ところが３日経っても返信が来ず、電話してみると…
「デザイン画像が届いていません」
はァ!!?
バカな、確かに送信した筈だ！送信者・件名・送信時刻を説明しても、やはり届いていないという。慌てて再送信すると、今度は届いた。が、
「20日までには間に合いません」
それでも、また連絡しますという言葉に一抹の希望を感じ、可能な限り早くして欲しいと伝えた。
19日、メールが届く。それは正式な見積り・発注の是非を問うものだった・・・・・・。
こんなんばっかし!!